対象者西尾 菜歩子さん:(株)フジタ,名城大学大学院理工学研究科環境創造学専攻2022年3月修了,道正泰弘教授研究室
タイトルライフサイクルアセスメントに基づく住宅用外装材料の性能評価
掲載号日本建築学会構造系論文集 2024年89巻824号 pp. 1104-1115 論文は以下に示します.
DOI https://doi.org/10.3130/aijs.89.1104
掲載日2024年10月1日
概要内容 (200~300字程度)本研究は,建物の長寿命化に際し,環境側面からみた外装材料の適切な選定方法の構築を目的に,ヒヤリング,アンケートによる実態調査および建物のライフサイクルアセスメント(LCA)に基づくシミュレーションによる評価を行い,環境側面からみた外装材料の性能評価について検討を行った.その結果,屋根材料,外壁材料ともに製品の資源循環項目が保護対象(人間健康,社会資産,生物多様性,一次生産)および統合化の指標に影響を及ぼすことから,建物の長寿命化に際し,LCAに基づく外装材料の選定を行うことで,環境負荷低減が可能となることが明らかとなった.
西尾さんからのメッセージ (論文掲載に至るまで苦労した点,後輩(大学院生)へのメッセージ)お疲れ様です.論文掲載について取り上げて頂き,ありがとうございます.修士生の際に査読が通らず,悔しい思いをしてきました.この度,ようやく掲載に至り,当時ヒアリング・アンケート等,研究に協力頂いた方々,そして,遠方でもオンライン会話などを駆使して,ご指導ご鞭撻頂きました道正先生に感謝いたします. 後輩の方へのメッセージとして「学生と社会人では,違う視点でみることができるようになる」ことです.仕事と論文を両立し,学生時代を思い出しながら業務にあたる事が多々あります.学生時代の成功も失敗も全て,良い経験でした.今,出来る事,精一杯挑戦してみてください.
指導教員からのメッセージ西尾菜歩子さんは2022年3月に本学大学院理工学研究科を修了されました.学部4年生,修士課程を通して,この研究内容に取り組んでこられました.その成果が認められ,卒業研究においては,日本建築仕上学会奨励賞卒業研究賞(https://www.meijo-u.ac.jp/news/detail_23167.html),修士研究では,日本建築仕上学会奨励賞修士論文賞(https://www.meijo-u.ac.jp/news/detail_27061.html)をそれぞれ受賞されています.しかし,在学中から取り組んだ日本建築学会のジャーナルにはなかなか採択されずに大学院を修了されました.その後,会社((㈱フジタ)に入社されてからもこつこと論文作成を継続され,今回の掲載に至りました.日頃の業務は,研究職等ではなく施工管理職とのことで業務時間中に論文等の作成はできません.朝早くから建設現場で勤務される中で成果を出された事は大変な努力の賜です.西尾さんからのメッセージにもあるように,ご自身も限られた時間の中で精一杯挑戦されたと思います.西尾さんの今後の活躍に期待したいと思います.
※本論文の内容は,環境配慮創造設計学(3年次,後期)の第9~11回の演習課題としています.